民法 2)物権 4担保物権

(根抵当権)
第三百九十八条の二  抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
2  前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。
3  特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権又は手形上若しくは小切手上の請求権は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。 

根(ね)抵当

根抵当権とは、継続的に発生する債務を一定額まで担保するための抵当権のことです。
抵当権と異なり、担保すべき債権が特定されていないことが特徴です。
特定の債権ではなく、極度額という枠と期間が定められています。


例えばB会社と取引のあるA銀行が、B会社に融資することによって生じる金銭債権に、
担保権の設定を受けておきたい場合で考えてみましょう。


根抵当権ではなく、抵当権の設定を受けた場合、被担保債権は特定の債権となります。
そのため、新しく追加融資をして金銭債権が生じた場合には、別の抵当権の設定を受けなければならなくなってしまいます。


追加融資をするたびに抵当権を設定していたのでは手間もかかるし、登記費用もかかります。
また追加融資をする際、抵当権を設定する不動産に後順位抵当権が設定されていた場合には、今回追加して設定する抵当権はその後順位抵当権よりも後になってしまい、担保としての実効性にも乏しくなってしまいます。


根抵当権であれば、設定行為において、AB間の銀行取引によって生じるAの債権を被担保債権としておきさえすれば極度額の範囲内で、全ての融資債権が根抵当権によって担保されるから、普通抵当権のような問題は生じません。

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